……大野教代
……謎のねこ

こんにちは。今日は道具の選び方についてお伺いしたいと思います。
よろしくお願いしますネ。犬の道具のことって、ワタシ何にも知らんのです。

犬の訓練の道具にはいろいろあるけれど、何を選んでどのように使ったらいいのか、悩んでいる人も多いんじゃないかと思うんですよ。
道具を使う時、まず私は「自分がされたらどう感じるかな」って想像してみるのね。

自分が犬の気持ちになって?
そうそう。自分が使ってみて、このくらいなら大丈夫とかね。

実際に試してみました? シュッって臭いの出るのとか、電気のとか。
臭いは試せる。電気のはちょっと試す気にならないなあ。でも、試した先生がいてね、腕に巻いて「ワン!」って言ったら失神しちゃったんですって。

うっそ〜、そんなきついんだ。
ヒエ〜、くわばらくわばら(ブルブル)。

今の主流はヘッドカラーですよね。中塚さんもヘッドカラー派?
そうですね。

それでは今日はヘッドカラー(マズルをコントロールする道具の一つ)を中心にお話を伺うことにしますね。ヘッドカラーの好いとこ、悪いとこをズバリ教えてください。
ヘッドカラーって、いわば『犬のパワステ』なんですね。
うわーっ、上手いこと言うニャン。
簡単に言うと梃子の原理を利用してるんです。だからお年寄りでも体力に自信のない人でもコントロールできる。これがいい点ですね。

少ない力で済むんですね。ほかにありますか、いい点。
チョークチェーンは首の骨を傷めるとよく言われますが、マズル・コントロールの場合は正しく使用すればそういう心配はしなくても大丈夫でしょう。

なるほど。では悪い点は?
便利な道具だけに、全面的に頼ってしまいがちなんだけど、それじゃちょっとまずいのね。楽だからそのまんまズルズルと使い続けてしまう人が多いんですけど、これでは訓練としては意味がない。

マズル・コントロールの最終目標は普通の首輪でもオーケーになることですよね。それを忘れてしまう飼い主さんが多いということかしら。
しつけ教室に通っている普通の飼い主さんだったら、だいたい3〜4カ月で普通の首輪に移行できるようになりますよ。

そうですか。ほかにはどうでしょう、悪い点。
ヘッドカラーで飼い主さんが引っ張って歩いてしまうとカーミング・シグナルが出せないんです。
カーミング・シグナルって何ですか?

「静かにしましょうよ、私も静かにしようっと」っていう犬からの合図のことよ。
普通の状態だったら何かに興奮してダーって走って「ワンワン」って言ってても、次第に落ち着こうとして、カーミング・シグナルを出します。そこまでくればもう大丈夫なんだけど。ヘッドカラーの場合は「ワンワン」と言うと飼い主さんが下手にリードを引いてしまうことがあるでしょ。これでは自発的なシグナルが出せなくなってしまうんです。シグナルが出せないので、下手をするともっとテンションが上がってしまうこともあると思いますよ。

そういうことを知った上で使うことが大切なんですね。例えば臆病な犬の場合、口の周囲を抑えるのは余計怖がったりすることはないんですか?
マズル・コントロールというのは信頼関係の上に成り立つものなんです。信頼関係さえあれば怖がらないし、むしろ犬も楽しめるんですよ。ちょっとやってみましょうか? 遊びながらマズルコントロールに慣らす方法。
ハイ、ぜひ見せてください。
こうやって遊ぶの。「やりたい人〜」(中塚さんの呼びかけに愛犬のサリーちゃんが飛んで来る)「さあ行くよ。1個食べられました」(と言ってサリーちゃんの目と目の間から鼻先にかけて指1本で撫でながらおやつを与える)「2個食べられました」(今度は指2本で撫でながらおやつを与える)「3個食べられました」(で、3本の指で撫でる)(もちろんおやつ付き)「はい、おしまいで〜す」こうやって、おやつと誉めを交えながら『触られる』ことの気持ちよさを覚えさせるんです。
おもしろそうだなあ。ワタシもやりたいなあ……。

よしよし。帰ったら同じように遊んであげます。ところで、犬にも性格があるでしょ。ドラえもんのジャイアンみたいな子もいれば、のび太みたいな子もいる。そういう性格に合わせた道具選びも必要?
それは絶対に必要。それとその時の状況や環境によっても、使っていい道具・悪い道具がありますね。例えばシュッと臭いの出るのは、興奮度がとても高い時には効きません。

道具の使い方にそこまで書いてあるといいのにねえ。
それは飼い主さんの感じる力に頼むしかないのね。飼い主さん自身が感じ取る力を育てないと、いくら道具の説明しても無駄。犬のボディーランゲージの読み取り方、犬が今何を考えているかを感じ取る力を育てないと、どんな道具を使っても意味がないの。

あ、わかった。最初に中塚さんがおっしゃった、犬の気持ちになって「自分がされたらどう感じるかな」って想像するっていうのはそういうことなんですね。
犬のしつけをする時に絶対に大切なのは水平思考と臨機応変ということ。それから飼い主さんの持っている感覚は大事にしてあげることですね。

でないと続きませんものね。今日はどうもありがとうございました。
謎の猫:ね、ね、みちよさん、帰ったら「1個食べました」って、遊んでネ。
(気もそぞろに帰り支度をする謎の猫でありました……)
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DOLCE CANE NAKATSUKA
(ドッグスクール) 兵庫県神戸市北区藤原台中町
2-9-13
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