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犬と一緒の暮らしを楽しむHappy Lifeへの開眼
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開眼前それまでの犬とのおつきあい

両親ともとても犬好きだったので、私が生まれる前から家には犬がおり、そばに犬がいない期間がほとんどないまま、現在に至ります。
しかし、犬とのつきあい方をみてみると1代目から5代目までは、家族の一員同様に可愛がってはいましたが庭に犬小屋を置き、犬は庭で放し飼い、散歩とエサ、ブラッシング以外は接触点があまりないといった状態でしたので、どちらかといえば主人と番犬としてのつきあい方でした。

とはいっても、休日に犬と一緒に大きな公園を散歩する楽しさや、ひとり寂しい時に犬がいる心強さをことあるごとに感じていて、犬がコンパニオン・アニマルとして、人に楽しさや癒しの効果を与えてくれることを漠然と理解していました。

でも、まだまだ犬と一緒の暮らしを楽しむことに開眼していなかったのです。


開眼のきっかけ

ニュージーランドでの犬との生活

5代目の犬が糖尿病による衰弱で、長く寝たきり生活を送って死んでからしばらくの間、他の犬を見ると、犬がいて楽しかった日々よりも寝たきりでどんどん弱って死んでいった哀れな姿ばかり思い出されて、犬を見るのが辛くてたまりませんでした。
その時は、軽いペットロス状態だったのでしょう。

そんな気持ちのまま2年の月日が流れました。
私は結婚し、旦那と二人ワーキングホリデービザでニュージーランドへ旅立ちました。

まず羊だけでなく、牛や鹿もいる大きな牧場へ2ヶ月間住みこみの牧場研修に行きました。
この牧場には、5匹のシープドッグ、1匹の猟犬、そしてオーナーのコンパニオン・ドッグのジャック・ラッセル・テリア(以下、略してJRT)が1匹、計7匹の犬たちがいました。

ここで、私は生まれてはじめて愛玩犬や番犬ではなく、仕事を与えられて生き生きと働く犬の姿を目の当たりにしました。
仕事中常に主人の一挙一動に注目し、命令を待つ、その集中力はすごいものがありました。
人間も常にボスとして犬を支配する厳しい態度を保っていますが、同じ仕事仲間(現に牧場の労働効率は、シープドッグの働き如何で決まってしまいます)として犬の能力を認めていました。
牧場にとっては、有能なシープドッグはなくてはならない労働者でした。
このシープドッグたちの姿を見て、いかに犬が賢い動物か、また仕事を与えられて喜び、それを遂行するために一途にがんばる動物なのかを知ることができました。

またここでの生活は、犬には人の心を癒し、孤独感を取り除き、日々の生活を豊かに活発にする力があるということにも気づかせてくれました。

一見広い広い牧場での仕事は、牧歌的でのどかに感じられますが、実際は厳しく孤独なものです。
毎日のメインの仕事は、家畜の群の中から病気の家畜を早期発見し、それを時には治療、時には処分するという様なことでした。

毎日、家畜の病気や死に直面し、早朝から夜寝るまで家事を含めて仕事があり、気の張り詰め通し、また英語がほとんどできなかった私は、オーナーとうまくコミュニケーションをとることができず、かといって、旦那と日本語ばかりで話しているのもオーナーに失礼だろうと旦那と二人きり以外は慣れない英語での生活でした。

また、重度の花粉症も患って気分が減入っていた時、心を癒してくれたのが、いつも一緒のJRTのフォレスト君でした。
彼は仕事中も、プライベートのパーティの時もいつも同行しました。
昼間は4輪バギーに乗って群れの見廻りをし、夜は暖炉の前のベストポジションを取り合い、ソファに並んで座ってテレビを見たり、そうして寄り添ってくれるフォレストの体の温かさにどれだけ心が和んだことでしょう。

オーナーはフォレストをいつもどこでも一緒に連れて行き、可愛がってはいましたが決して甘やかしてはいませんでした。
また、フォレストも甘えませんでした。
オーナーとフォレストの関係は依存しあわないが、お互いいるだけで安心できる親友同士の関係のように感じました。

ここにきて、人間と犬が仕事上においても日々の生活においてもお互いに信頼しあい、対等な関係でつきあえるパートナーになりうることを知りました。


開眼中
犬と一緒の暮らし in ニュージーランド

私と旦那はこの賢く、その小さいサイズに似合わず、パワフルで活発なフォレストのとりこになってしまい、日本に帰国する際には、是非フォレストに似たJRTを手に入れて一緒に連れて帰ろうと心に決めました。


ファーン(右)リムー(左)

帰国3ヶ月前にコミュニティ新聞でJRTの広告を見つけて、フォレストに似たファーン(♀)と、旦那の家族の希望でリムー(♂)の2匹のJRTを手に入れました。
そして、その頃私たちはアパートに住んでいたので帰国前に旅行に出るまでの1ヶ月半、ファーンのブリーダー宅で子犬たちを預かってもらいました。
私たちは週末ごとに子犬たちを連れて公園で遊んだり、アパートで1泊させたりして、子犬たちが私達に慣れるようにしました。

このブリーダーは本当に犬好きで、趣味でブリーダーをしており、私たちや子犬たちにとても親切にしてくれました。
子犬たちに愛情いっぱい注いでくれて、健康で人間犬好きの可愛いい子犬たちに育ててくれ、普段子犬たちに触れ合えない私達にとっては本当に助かりました。

私たちは帰国前の約2週間、子犬たちを連れてニュージーランド中を旅行しました。
泊まるところはもっぱら、犬OKのキャンプ場、ニュージーランドは各町に1つは必ずこういうところがあり、町中から少し離れていますが、広くて風光明媚なところが多く、犬も自由に遊ばせることができとても良かったです。

移動は車、至るところに緑の多いレストエリアがあるので、トイレ休憩をとりつつ移動し夜はテントで一緒に寝ました。
毎日毎日違うところに連れて行かれ、ころころと環境は変わったけれどいろんな人や犬に会い、新しい場所に慣れるという免疫はついたように思います。
幸い2匹の子犬たちとも丈夫だったので、体調も悪くなることなく旅程を無事終えることができました。

お買い物三昧できるような所や遊園地のような派手なアトラクションはないけれど、ただのんびりと氷河をたたえた山々が映る湖面を眺めながら犬と散歩し、サンドウィッチをほうばりながら穴掘りや水遊びに興じている犬を見ることがこんなに楽しいもので、心穏やかに満たしてくれるものなのかと気づき、その幸せを実感することができました。
おそらく、こんなに長期間の犬連れの旅行は生涯で最初で最後のことでしょうが、本当に忘れられない旅行となりました。

ここで、ニュージーランドの犬たちや犬を取り巻く環境について感じたことを述べておきましょう。

まず第一に、道行く犬たちがとてもフレンドリーなのに驚きました。
公園で出会う犬はほとんどノーリードでゆったりと人間と歩いていて、触っても怒る犬は少ないのです。
人間の方も大人だけではなく、小さな子供も犬を見るや否や近づいてきて犬に話しかけながら触り、犬を怖がる人は少ないです。

どうしてこんなに愛想のいい犬が多いのだろうと疑問でしたが、子犬たちのワクチン接種のため、獣医科病院に何度か足を運んだ時にその理由が判明しました。

まず、先生やスタッフが犬や飼い主に対してとてもフレンドリーに対応します。特に犬に対してはいきなり診察ではなく、まず優しく話しかけて挨拶し、体中を触りつつ、ほめたり、おやつをやったり、極力怖がらせないように配慮しながら、時間をかけて犬を落ち着かせていました。そしてボディチェックの後、飼い主に犬のしつけの基本が書かれているプリントを渡し、説明、服従姿勢のとりかたをレクチャーしてくれました。

驚きなのはどこの獣医科病院でも、また大きなペットショップでもパピー教室が随時、安価で開催されていることで、幼犬時の社会化の重要性が周知のことであることが伺えました。
こうして、人にも犬にもフレンドリーな犬を作る体勢が整っているのです。

第二に、犬と一緒の暮らしが普通であるということです。
ちょっとおでかけでも、車に犬を乗せて一緒に連れていく人が多く、スーパーマーケットや公園の駐車場の車の中にはお留守番の犬が多いこと、車で走っていても荷台に犬を乗せている車をよく見ました。
また、片手に赤ちゃんを乗せたベビーカー、片手にリードを付けた犬、といった状態でウォーキングしているパパやママ、犬連れのジョガーをよく見かけます。
人と犬はワンセットという感じです。

第三は、動物愛護精神の高さです。
ニュージーランドにはSPCAというすべて寄付で運営されている、私設の動物保護施設があります。

大きな町にひとつはあり、保護された動物はそこで里親を待っています。
里親になるには、柵がなくて逃げ出して、再び迷子になって保護されることがない様、との配慮からちゃんと家の周りに柵がはってあるかなど、SPCAの審査を受けなければならない、といった徹底ぶりです。
また、獣医師が常駐していて保護されている動物の健康チェックを行っており、SPCAから引き取った犬猫は割安で避妊、去勢手術をしてくれます。
週に1度発行されるコミュニティ新聞では、カラー写真入りで保護されている動物の紹介、里親募集の広告が載ります。
ペットショーなどのイベントでは、募金箱を背負いSPCAのゼッケンをかけた犬が場内を歩き回り募金を集めていますし、大きなスーパーマーケットのレジの奥には必ず善意の箱があり、いつも寄付されたペットフードが入っています。

このようにニュージーランドでは、飼い主のレベルや犬の社会的地位が日本に比べるとかなり高いことがわかりました。


開眼後

ニュージーランドに行き、犬と一緒に暮らしを楽しむライフスタイルを経験したことは私にとって大きなことでした。

そして帰国後、日本でもこうした生活を気軽に楽しむことができないだろうか、そうすれば人はもっと精神的に豊かな生活を送ることができ、且つ、犬の社会的地位が上がることで、不幸な境遇の犬たちを救うこともできるのではないか、と考えはじめました。

しかし、日本はまだまだ飼い主側の意識のレベルや犬の地位は低く、環境は不十分です。

そこで、微力でも環境改善にお手伝いできないだろうか、と考えていた矢先のこと知り合いの獣医師の先生からPUREのことを紹介していただき、ペットカウンセラーという職業があることを知りました。

結局のところ、犬の社会的認知度を上げるためには、人間である飼い主側が犬を飼うことに責任を持って犬についてよく知り、社会生活において秩序ある行動を取らなければならないのであって、まさにこのペットカウンセラーは、その飼い主側をサポートするという意味でこれから重要な位置を占めるのではないかと思いました。

私は犬の訓練士でもなく、獣医師でも動物看護士でもなく、トリマーでもないただの犬好きの飼い主の一人ですが、専門家の先生方の協力を得ながら、カウンセラーの技術を学び、その知識と情熱とで犬との生活を楽しみたいと考えている同志の方を少しでもサポートすることができれば、と思い勉強をはじめました。

近い将来、犬だけではなく飼い主も勉強する場としてのパピー教室やしつけ教室が随所で行われて、飼い主に気軽に参加できるようになり、犬のしつけや身体のこと、行動学だけではなく飼い主が飼い犬に接するときの心のあり方など、人間と犬との相互作用といったことまで含めた多彩な内容を学ぶことができ、飼い主のレベルアップをはかり、飼い主が犬と一緒に気軽に社会参加できるような環境作りをこつこつ進めていけたら、とほんわか考えています。

   
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